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後藤謙次

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捲土重来

 最近、自宅に今回の衆院選で落選した前議員からの挨拶状が届きます。今日も1通ありました。文面もほぼ同じで、力不足を詫び、その上で再起を期したいと結んでいます。そして必ずと言っていいでしょう。文中で目にするのが「捲土重来」の四字熟語です。
「捲土」は土煙を巻上げること。1度失敗しても再び立ち上がって、意気込んで挑戦するという意味があります。確かに多くの落選した候補者の意気込みに嘘はないでしょう。しかし、その意気…



ヤジは議会の華

 吉田茂首相が衆院本会議で演説中に野党議員からヤジが飛びました。
 「それでよく総理が務まるなあ」
すかさず与党席から応酬。
「お前でさえ代議士が務まるようなもんだ」
一同大爆笑―。かつて先輩記者から聞いたエピソードです。
「ヤジは議会の華」という言葉があります。ヤジは難しく表現すれば、議会用語でいう「不規則発言」ということになりますが、決まり切った質疑応答よりよほど本質を突くヤジの方が分かりやすいことがあります。だらだら長い…



抜かれの三度笠

 記者を長年やっていると、「特ダネ」を書くチャンスが何度か訪れるものです。しかし、実際はそれを原稿にして世に問うまでに行けずに終わることが大半で、逆に他社に「抜かれる」(スクープされる)方が圧倒的に多いものなのです。記者の性(さが)なのでしょうか、その悔しさは今なお夢に見るほどです。
 恥を忍んで告白すれば、私にとって今も忘れられない「敗北」の1つは沖縄の普天間飛行場返還のニュースです。日本経済新聞の個人的に…



良薬口に苦し

 イタリアの政治学者マキアベェリは、名著とされる「君主論」(岩波文庫)の第23章で「どのようにして追従者(ついしょうしゃ)を逃れるべきか」と記述しています。
 「世の君主たちがよほど思慮深くないかぎり、あるいいは賢明な選択をしないかぎり、身を守ることの困難な一つの過誤である。それはほかならない追従者たちのことであって、世の宮廷は彼らに満ち充ちている」
 平たく言えば、権力者の周りにはゴマすりばかりでそれを信じると結局は身…



被爆者は声高に語らない

 たまたま先週の金曜日(10月9日)に広島のマスコミ関係者と懇談する機会がありました。当然、話題の中心はオバマ大統領のノーベル平和賞受賞です。
 「この受賞をきっかけに核廃絶に向けて大きな一歩を踏み出してもらいたい」
私にとって被爆地の思いの深さを改めて確認する機会になりました。そして会話の中でごく自然に出てきたのがこうの史代さんが書いた「夕凪の街 桜の国」というマンガでした。後に佐々部清監督によって映画化されたのでご覧…