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捲土重来

 最近、自宅に今回の衆院選で落選した前議員からの挨拶状が届きます。今日も1通ありました。文面もほぼ同じで、力不足を詫び、その上で再起を期したいと結んでいます。そして必ずと言っていいでしょう。文中で目にするのが「捲土重来」の四字熟語です。
「捲土」は土煙を巻上げること。1度失敗しても再び立ち上がって、意気込んで挑戦するという意味があります。確かに多くの落選した候補者の意気込みに嘘はないでしょう。しかし、その意気込みをいつまで持続できるかが問題です。「継続は力」ですが、これほど難しいものもありません。
鳩山内閣で財務副大臣に就任した民主党の野田佳彦さんは落選経験があり、その落選した翌日の朝から選挙区内のJR駅前で辻立ちをしたと著書「民主の敵」(新潮新書)の中で書いています。
ところで、政権交代からわずか40日ですが、早くも民主党には奢りのようなところが見受けられるようになりました。初の代表質問で答弁に立った鳩山由紀夫首相も「あなた方(自民党)に言われたくない」というような鳩山さんらしくない挑発型の物言いが目につきました。これだけの議席を持ちながら民主党は衆院では代表質問を見送りました。同じ与党の重野安正・社民党幹事長さえも民主党を厳しく批判しました。
「与党になったから代表質問をしないというのは立法府の自殺行為だ」
全くその通りではないでしょうか。「勝って兜の緒を締めよ」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」―。「高転び」という言葉もあります。
人間だれしも絶頂期ほど大きな落とし穴が待ち受けています。逆に苦しい時ほど人の心が良く見えるものです。私が苦境に立った時、ある先輩が「今の気持ちを忘れるな」とこんなうたを教えてくれました。
「落ちぶれて袖に涙のかかるとき 人のこころの奥ぞ知らるる 
 
                                  (了)
 


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