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鳩山離党劇は霧の中

 自民党の鳩山邦夫元総務相は15日午後、離党届を提出しました。邦夫氏は14日のテレビ番組で大型連休前にも新党結成に踏み切る考えを示したばかりでだれもが想定外のスピードでした。 それは番組でもお伝えしましたように大島理森幹事長ら執行部の強い意向があったからのようです。
 「新党結成に触れたのだからけじめを付けてもらいたい」
 やむを得ず邦夫氏は離党届を提出したというのが大島幹事長側近の証言です。確かに谷垣禎一総裁にとってピンチであることには違いがありませんが、その邦夫氏の離党に対する評価はまちまちです。「谷垣降ろし」が活発化するとの見方がある一方で「雨降って地固まる」という幹部もいます。それは鳩山由紀夫首相のいわゆる「マザーズマネー」については邦夫氏も多額の贈与を同じ母親から受け取っていて、自民党としては邦夫氏の存在によって「攻めにくい状況」(党幹部)があったことも事実です。それが鳩山氏の離党によって「徹底追及できる環境が整った」(同)というわけです。
 さらに邦夫氏と同調するとみられていた与謝野馨元財務相は、この日は沈黙を守りました。ただし与謝野氏の側近である園田博之氏は幹事長代理の役職辞任を申し出て了承されました。こうした表の動きを見る限り、邦夫氏と与謝野氏らは気脈を通じているように見えますが、ことはそれほど単純ではないようです。
 園田氏に電話を入れてみましたが、園田氏は「今日の動きは鳩山邦夫氏個人の問題だ。しばらくは事態の推移を見守りたい」と当面は動かず、慎重な姿勢を示していました。つまりこの日の邦夫氏の動きは与謝野氏らにとっても想定外の動きだったのです。
 ところで、邦夫氏にとってなぜ与謝野氏と舛添要一元厚労相なのでしょうか。2人はともに邦夫氏にとって古くからの友人なのです。邦夫氏と舛添氏は東大法学部の同級生。一方、与謝野氏は自民党東京都連でほぼ同じ時期に政治家を目指した同志だったのです。今でこそ邦夫氏は福岡県久留米市を中心にした福岡6区で当選していますが、中選挙区時代は旧東京8区(文京、中央、台東)の選出。与謝野氏の旧東京1区(千代田、港、新宿)とは隣同士の選挙で、本当に仲の良い友人だったのです。鳩山由紀夫首相に対して与謝野氏が「平成の脱税王」と厳しく追及した背景には邦夫氏の情報提供があったようです。
 邦夫氏はこの2人を仲介して「坂本竜馬」になると、公言していましたが、問題は与謝野―舛添関係を結ぶ線が見えてきません。「鳩山邦夫離党劇」の先行きは全く見えてこない霧の中です。(了)


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