2月8日(月)は民主党の小沢一郎幹事長が高らかに「復権宣言」した日と言っていいかもしれません。この日、小沢氏は同時多発的に宣言を続けました。まずは「幹事長続投宣言」です。鳩山由紀夫首相を官邸に訪ね、続投のお墨付きをもらいました。その上での夕方の記者会見。今度は「潔白宣言」です。
「強制捜査を受けて私自身も2度事情の説明をした。その結果だから、これ以上の説明はないんじゃないか」
これだけではとどまりません。昨年末に自民党を離党した田村耕太郎参議院議員と会談し、民主党入党で合意したのです。これで参議院の民主党系会派は社民党抜きで過半数を確保できることになりました。自民党を挑発しつつ社民党を牽制するという老獪な手法は小沢氏ぐらいしかできないことです。
さらに小沢氏はもう一つ予想外のボールを投げました。アメリカ訪問です。小沢氏の訪米は先のキャンベル国務次官補との会談で、次官補が小沢氏に要請したものですが、小沢氏はこの席でこんな注文を付けたことを記者会見で明らかにしました。
「せっかく行くならオバマ大統領にも十分な時間を取っていただかないと困る、お願いしますと申し上げた」
大統領との会談設定が訪米の条件というのです。この話を聞いて思い出したのが、小沢氏の師でもある金丸信氏の訪米です。自民党副総裁だった金丸氏は最大派閥の経世会の会長。「政界のドン」として君臨していましたが、1992年6月、米政府の招待で訪米し、当時のブッシュ大統領(いわゆるパパブッシュ)と会談、大歓待を受けたのです。政府の閣僚でもない党の実力者がアメリカの大統領と会談するのは極めて異例のことです。それだけ今の小沢氏は当時の金丸氏のようなアメリカにとって無視できない存在ということなのでしょう。
しかも、この事実を約1週間後に公表したことに小沢氏の強烈な政治的意図を感じるのです。訪米に限らずこの日の小沢氏のパフォーマンスはすべて「潔白宣言」を補強するための演出としか思えてならないのです。
しかし、こうした小沢氏の言動を裏側から読み解くと、小沢氏に対する党内外の風圧は予想以上に強いことを浮き彫りにしているように見えてきます。事実、多くのマスコミの世論調査では概ね7割が幹事長の辞職を求めています。小沢氏の「復権宣言」は「対世論戦闘宣言」とも言えるのです。(了)