2月4日は政界と角界の2人の「横綱」の進退問題が重なるという珍しい1日となりました。角界は正真正銘の横綱朝青龍の引退表明。そして政界の「横綱」は民主党の小沢一郎幹事長の進退問題でした。小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法事件で、東京地検は衆院議員で小沢氏の元秘書だった石川知裕被告ら3人を起訴、焦点だった小沢氏自身については「嫌疑不十分」で不起訴処分としました。
これを受けて小沢氏は国民にお詫びはしたものの幹事長職はそのまま続投する考えを示しました。この日の「横綱」2人の進退は全く正反対のものになりましたが、2つのケースとも釈然としないものが残ったという点では共通するものがあります。朝青龍の引退は一見すると潔い進退に見えますが、引退によって本来の暴行騒動が何だったのか分からなくなる可能性が出てきました。「臭いものに蓋」の印象なのです。
一方の小沢氏のケースは結果として不起訴処分ですが、ここに至る過程でどれほど国民の不信と疑問を増幅させたのかわかりません。1月16日の民主党大会で「対検察闘争宣言」をした小沢氏は、この日の不起訴処分を受けて「公平公正な検察当局の捜査の結果として受け止めている」と語りました。あの激しい検察批判は何だったのでしょうか。
今回の事件では小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐって支払われた4億円の出所が焦点となりましたが、小沢氏の説明はクルクル変わりました。だれもが不思議に思うのが当たり前です。
それに加えて鳩山由紀夫首相も「どうぞ(検察と)戦ってください」に始まり、石川議員が起訴されないことに期待感を示すなど、首相として常軌を逸した発言を繰り返したことも看過できません。
結局はだれもがすっきりせず、刑事事件としては一区切りがつきましたが、このモヤモヤ感が残る限り小沢氏の進退問題は「延長戦」に入ったと言って間違いありません。5日からの衆院予算委員会など国会審議と法廷での審理に舞台は移りますが、昨年の西松事件に続き小沢氏は秘書、元秘書が起訴された2つの刑事裁判を抱えるという何とも異常な事態で幹事長職を続けることになるのです。内閣支持率や民主党の政党支持率が低下すれば、再び小沢氏の進退問題が浮上することになるでしょう。(了)